「愛犬の皮膚が赤くなっている」「フケが急に増えた」「しきりに体を掻いている」――そんな変化に気づいて、不安を感じていませんか?犬の皮膚病は非常に多く、動物病院の受診理由でも常に上位に入っています。しかし、早期に発見して適切な対処をすれば、多くの皮膚病は改善できます。この記事では、犬の代表的な皮膚病の種類・症状・治し方を、早期発見のポイントとともに解説します。
犬の皮膚病の種類と症状
膿皮症(のうひしょう)
犬の皮膚病の中で最も多いのが膿皮症です。皮膚に常在するブドウ球菌が異常繁殖することで起こります。
- 症状: 赤いブツブツ(丘疹)、膿を持った水ぶくれ、かさぶた、円形の脱毛
- 好発部位: お腹、内股、脇の下、背中
- 原因: 免疫力の低下、アレルギー、高温多湿な環境、シャンプー不足や過剰
膿皮症は見た目で判断しやすい皮膚病ですが、他の皮膚病と併発していることも多いため、動物病院での診断が大切です。
アトピー性皮膚炎
ハウスダスト・花粉・カビなどの環境アレルゲンに対して免疫が過剰に反応する病気です。遺伝的な体質が大きく関わっており、1〜3歳で発症することが多いです。
- 症状: 強いかゆみ、皮膚の赤み、慢性的な外耳炎、指間の炎症
- 好発部位: 顔周り、耳、足先、脇の下、お腹
- 特徴: 季節によって悪化する場合と、通年で症状が続く場合がある
柴犬・フレンチブルドッグ・シーズー・ゴールデンレトリバーなどに多く見られます。
真菌症(皮膚糸状菌症)
**カビ(真菌)**が皮膚に感染して起こる病気です。人にもうつるため注意が必要です。
- 症状: 円形の脱毛、フケ、皮膚の赤み(かゆみは軽いことが多い)
- 好発部位: 顔、耳、足先
- 原因: 免疫力が低い子犬や高齢犬に多い。他の感染動物との接触で広がる
脂漏症(しろうしょう)
皮脂の分泌が異常になることで起こる皮膚病です。脂っぽくなるタイプと乾燥するタイプの2種類があります。
- 脂性脂漏症: ベタつき、独特のにおい、黄色っぽいフケ
- 乾性脂漏症: 白い細かいフケ、毛がパサつく、皮膚のカサカサ
- なりやすい犬種: コッカースパニエル、シーズー、バセットハウンド
食物アレルギーによる皮膚症状
特定の食材に対するアレルギー反応として皮膚症状が出ることがあります。季節に関係なく1年中症状が続くのが特徴です。
- 症状: かゆみ、皮膚の赤み、繰り返す外耳炎、下痢・軟便の併発
- 原因食材: 鶏肉、牛肉、小麦、大豆、トウモロコシ、乳製品など
→ 詳しくは皮膚トラブルに対応したドッグフードで解説しています
対処法と早期発見のポイント
日常的なチェック習慣をつける
皮膚病は早期発見が最も重要です。以下のタイミングで皮膚の状態を確認する習慣をつけましょう。
- ブラッシングの時: 毛をかき分けて皮膚の色・状態を観察する
- シャンプーの時: 全身をくまなく触って、しこり・赤み・脱毛がないか確認する
- スキンシップの時: お腹や内股など普段見えにくい部位もチェックする
以下のサインが見られたら早めに動物病院を受診しましょう。
- 同じ場所をしきりに掻く・舐める・噛む
- 赤み、ブツブツ、かさぶたがある
- フケが急に増えた
- 部分的な脱毛がある
- 皮膚から独特のにおいがする
動物病院での治療法
皮膚病の治療は原因によって異なります。自己判断で市販薬を使うと悪化することがあるため、まずは獣医師の診断を受けましょう。
- 膿皮症: 抗生物質の内服・薬用シャンプーによる洗浄
- アトピー性皮膚炎: かゆみ止め(アポキル・サイトポイントなど)、保湿、アレルゲンの除去
- 真菌症: 抗真菌薬の内服・外用薬、薬用シャンプー
- 脂漏症: 薬用シャンプーによる皮脂コントロール、食事療法
- 食物アレルギー: 除去食試験によるアレルゲンの特定、フード変更
治療期間は数週間から数ヶ月かかることが多いため、根気よく続けることが大切です。
自宅でできるケア
動物病院の治療と併せて、自宅でのケアも皮膚病の改善に役立ちます。
- 適切な頻度のシャンプー: 獣医師の指示に従った薬用シャンプーの使用(週1〜2回が目安)
- 保湿: セラミド配合の犬用保湿スプレーで皮膚バリアを補強する
- 環境管理: こまめな掃除、寝具の洗濯、適切な室温・湿度の維持
- 食事の見直し: オメガ3脂肪酸が豊富なフードで皮膚の健康を内側からサポートする
おすすめのケアと予防・まとめ
フード選びで皮膚の健康をサポート
皮膚の健康を食事から支えるために、以下のポイントを意識してフードを選びましょう。
- オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)が豊富: 魚を主原料としたフードが効果的
- 良質なタンパク質: 皮膚のターンオーバーに必要な栄養素
- 亜鉛・ビタミンE・ビオチン配合: 皮膚バリア機能の維持に有効
- 人工添加物不使用: 皮膚への余計な負担を減らす
食物アレルギーが疑われる場合は、新奇タンパク(鹿肉・馬肉・カンガルーなど)を使ったフードや、加水分解タンパクを使った療法食が選択肢になります。
予防のために心がけたいこと
皮膚病は完全に防ぐことは難しいですが、リスクを下げることはできます。
- 定期的なブラッシングとシャンプーで皮膚を清潔に保つ
- 高温多湿を避け、通気性の良い環境を整える
- バランスの良い食事で免疫力を維持する
- ストレスを減らし、適度な運動を心がける
- 皮膚の異変に早く気づけるよう、日頃から全身を触る習慣をつける
まとめ
犬の皮膚病は種類が多く原因もさまざまですが、日頃からの観察と早期発見が改善への第一歩です。膿皮症・アトピー・真菌症・脂漏症・食物アレルギーなど、それぞれ治療法が異なるため、自己判断で市販薬を使わず、まず動物病院で正しい診断を受けましょう。食事・環境・スキンケアの3つを見直すことで、愛犬の皮膚を健康に保つことができます。